女板長の巻き爪。私が解決します!
皆さんこんにちは。
「和」「感動」「喜び」を
皆様にご提供するクリニック 甘木大川整形外科です。
今回はフットケア担当のKがお届け致します!
「別に痛くもないし、困ってもないんだからね!!」
「お姉ちゃん、そんな事言わずに、ちゃんと治してもらいなさいよ」
80代のご姉妹。
妹さんは、お姉様の足の爪を心配して
無理矢理に連れて来られた、
それが最初の出会いでした。
両手に一本ずつ杖をつき、
横に揺れるようにして
歩かれる姿を見て、
「これはきっと爪のトラブルがあるだろうな」
と感じました。
爪のトラブルと
歩き方は密接に関係しています。
診察の結果、
「爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)」
という診断がつきまして、
いよいよ私達の出番です。
あまり乗り気ではなさそうな患者様…
しかし、爪は悲鳴をあげています。
懇切丁寧にご説明し、
初回の処置をさせて頂きました。
とにかく妹さんが心配されて、
「まずは、お家で足をしっかり洗いましょう」
とお伝えすると、
すぐに洗面器を買ってあげたり、
甲斐甲斐しくお世話して下さるのでした。
しかし、
ご高齢の方には
この「足を洗う」という行動が
非常に難しい。
腰が思うように曲がらず、
前屈みになれないのです。
これでは、
足を洗うどころか、
爪を切る事も難しかったはずです。
爪が伸びた上に、
周辺に垢がたまった状態では
どんなに良い処置を施しても、
結局はまたすぐに元に戻ってしまいます。
ご自宅でご自身で洗うのが難しければ、
私がやるしかない!
という訳で、
必死に洗いました。
さて、初回である程度良くなってきましたが、
これから数回は通って頂かなければなりません。
果たして次も来て下さるか…
とても心配でした。
しかし、私達の心配をよそに、
意外にも2回目、3回目と、
きちんと通って下さるのです。
通われる内にだんだんと、
ポツリポツリとお話をして下さるようになり、
患者様のお気持ちが
少しずつ分かってきました。
彼女は若い頃から定年を迎えるまで、
「女板長」として、料亭のトップに立って、
男達を率いて仕事をしていたのでした。
当時、板前の世界に女性がいるというのは
非常に珍しく、色々な嫌がらせや、
いじめのような事も沢山受けたのだそうです。
「辛い」とか「不安」とか、
そんな言葉を人に言う事を、
ご自身は良しとしないのだろう、
そんな風に感じました。
人は発する言葉よりも
行動の方が正直です。
この患者様は、
それからすでに5回以上も、
真面目に通って来られていて、
その甲斐あって、
とても綺麗な爪ができあがりつつあります。
ご本人も、
心の中では、
実はとても喜んで、
安心して下さっていたりして。
そうだったらいいな
と、
そっと考えながら、
今日も静かに
処置をさせて頂きました。
これからも
こんな風に
心を添えるように
患者様の爪を綺麗にしていけたら
と思っています。
巻き爪、魚の目、タコ
このようなお困りを
抱えておられる方は
非常に多いのに、
我慢をしていたり、
諦めてしまっていたり、
ご本人は気がついていなかったり。
そんな方が側にいらっしゃったら、
ここがあるよ、と
教えてあげて下さい。
あなたの為に
一生懸命、解決策を考えます。